UniMax、自動車向け世界初のMAVE搭載AR HUDを発表
UniMax は、ASUS グループ傘下の自動車エレクトロニクス設計・製造企業であり、本日、世界初のミラーアレイ・ビジョンエクステンダー（MAVE）技術を搭載した拡張現実ヘッドアップディスプレイ（AR HUD）を発表しました。UniMax AR HUD は、競合製品よりも小型で、低コストかつ省エネルギーであり、自動車のフロントガラスにリアルタイム情報を表示する革新的な新技術を提供します。
(Flat Type Augmented Reality(AR) HUD-MAVE)
コンパクトで実用的：体積を最低30％削減し、自動車への統合が容易に
従来のHUDは、自動車メーカーに多くの重要な技術的および実用的な課題をもたらします。まず、HUDユニットはダッシュボード内に埋め込まれ、上部の棚を通して投影する必要があります。さらに、AR HUDアプリケーションで広い視野角（FOV）を確保するには、大型のパネルが必要となり、小型車への統合が必ずしも実用的または可能であるとは限りません。
新しいUniMax AR HUDを支えるMAVE技術は、従来のAR HUDソリューションと比べてよりコンパクトで低コストな設計を実現し、市場に革新をもたらします。その薄型デザインの鍵となるのは、小型のストリップ状ミラーのアレイで、これが角度のついた凹面ミラーと連携し、PGU（画像生成ユニット）からフロントガラスへと映像を投影します。この構造により、競合のAR HUD製品と比べてUniMax AR HUDの全体体積は少なくとも30%削減され、小型車への統合が大幅に容易になります。
あらゆるフロントガラスに対応：ゴーストのない映像表示により、ウェッジガラスが不要に
新しいUniMax AR HUD技術は、自動車メーカーにとってもう一つの課題を解決します。それは、フロントガラスに高価なウェッジガラスを使用する必要がなくなることです。
従来のHUD設計の光学特性上、標準的なフロントガラスに映像を投影すると、「ゴーストイメージ」と呼ばれる問題が発生します。これは、運転者の視界に本来の映像とはずれた位置に、薄く二重に見える現象です。このゴーストイメージは、投影された映像がフロントガラスの外側のガラス層で反射することによって生じます。
この問題を解決するために、一般的にウェッジガラスが使用されます。ウェッジガラスは、フロントガラスの内側と外側の層の間にわずかではあるものの重要な角度を作ることで、ゴーストイメージを防ぎます。通常のフロントガラスは、内外のガラス層を単一の均一なポリビニルブチラール（PVB）層で接着しますが、AR HUDのゴースト現象を防ぐには、ウェッジ形状のPVB層を形成し、2枚のガラスの間に正確な角度を作る必要があります。この工程は製造コストを大幅に押し上げる要因となります。
UniMax AR HUDの光学技術は、標準的なフロントガラスでも適切に動作するため、低コストの自動車にも搭載が可能です。これにより、自動車メーカーは、仮想化された運転情報のメリットを、これまでの市場セグメントにとらわれず幅広く提供できるようになります。
省電力で低発熱：低消費電力の画像生成ユニットにより、発熱を抑制
UniMax AR HUD は、さまざまな付加的なメリットも提供します。内部および外部の光路において優れた電力対光効率を実現し、消費電力を削減するとともに、動作温度や発熱を抑えます。放熱の必要性が低減されることで、設置スペースの削減や設計の簡素化にも貢献します。
従来のAR HUD技術では、ウェーブガイドの効率がわずか1%程度にとどまる場合がありますが、UniMax製品は同じ明るさレベルで大幅な省電力化を実現します。特に、UniMax AR HUDを支える最新のMAVE技術は、最大30%のウェーブガイド効率を達成し、競合製品と比較して大きな飛躍を遂げています。
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