AR HUD - より幅広い視野を乗せて
AR HUDの新たな考え
車載用電子テクノロジーについては、様々な技術上のテーマが絶えず語られていますが、その中にはWindshield Reflection Type HUD、Combiner Type HUDからAR HUDに至るまでのHUD(Head Up Display)技術が含まれています。
AR HUDの登場により、車載用HUD分野には多くの優れた特長が添えられました。HUDの基本コンセプトはドライバーに運転情報を表示することにあります。Windshield Reflection Type HUDの表示内容は伝統的でシンプル、Combiner Type HUDは若干改善されたものの、表示範囲は大きく制限を受けています。AR HUDはこれまでの2タイプに比べ、表示範囲が広がり、表示距離が伸び、カラーバリエーションも増え、解像度が向上しただけでなく、最も重要なポイントは拡張現実効果(AR)を実現した点にあり、HUDの基本コンセプト-ドライバーに運転情報を表示する役割を更に高めました。
AR HUD以前のHUDシステムでは、表示内容には主に車速、バッテリー電圧、ラジエーター温度、エンジン回転速度、ガソリン残量などが含まれ、ダッシュボードや車載ナビゲーターなど、実質的には既存のディスプレイ情報を拡張したものでした。しかしAR HUDは拡張現実効果を高め、オリジナルの情報をより直感的に示すほか、AR HUD専用の情報、例えば車線のカーブ情報、実際のコースのナビゲート、前方車両との車間距離の情報なども表示することが可能となりました。
AR HUDが人とマシンのインタラクティブを更に高める。HUDはパネルを注視し前方を見ないという安全問題を解決するために現れましたが、ますます多くの電子テクノロジーが搭載されることにより、パネルに表示される情報量も爆発的に増え、従来のHUDの限定された表示範囲ではこれらの多くの情報を投影することが難しくなり、たとえ全て表示できたとしても多すぎる情報がスクリーンを覆い尽くし、ドライブの安全を脅かすことになりました。これに対しAR HUDの拡張現実効果は、車両と外部との間に全く新しいインタラクティブなウインドウを提供し、これまでにない人とマシンのインタラクティブなコンセプトを提供しました。
AR HUDの幅広い視野
AR HUDは拡張現実を実現しましたが、そのポイントは従来のHUDに比べより幅広い視野を実現したことにあります。この機能を実現するためにはHUDのVID(Virtual Image Distance)とFOV(Field of Vision)という2つの技術が重要な役割を果たしています。
VID(Virtual Image Distance)とは人の眼からバーチャルイメージまでの距離で、FOV(Field of Vision)とは人の眼を出発点としてバーチャルイメージを表示する角度を表します。
テキサス・インスツルメンツから引用すると、上の図の赤色はこれまでのHUDのVID及びFOVを表していますが、この図から分かるようにAR HUDに比べバーチャルイメージまでの距離が近いだけでなく、その範囲も非常に狭くなっています。
これが2つのことに影響を及ぼします。まずバーチャルイメージまでの距離が近いため、必ずしもドライバーの視線と一致しなくなり、運転時に見る距離の大部分はこれまでのHUDの2.5メートルを大きく超えますが、HUDには2.5メートルで表示されるため、ドライバーはHUD上の情報を読み取る際、眼球は短距離に焦点を合わせようとし、運転安全上余分な労力を費やし、長時間の運転では眼精疲労をより高める結果となります。次に、バーチャルイメージの範囲が狭すぎるため、受け入れる情報量が限られ、周囲の幅広い実際の景色に合わせることができないままARナビゲーションを行うことになります。
一般的にAR HUDではVID距離は10メートル、FOV角度は10度を目指していますが、実際にはVID距離は20メートル、FOV角度は20度が理想とされています。
AR HUDの技術的難題-影像の重なり
フロントガラスに光を投射する際の特性により、HUDには影像が重なり合うという共通の問題があります。この問題がユーザー体験を弱めるとともに、運転中の眼精疲労とめまいを引き起こしやすい要因になっています。
これまでのWindshield Reflection Type HUDでは黒色の透明なフィルムを貼ることでこの問題を解決し、Combiner Type HUDではカーブしたcombinerを使用することで影像の重なり合いを解決してきましたが、欠点はバーチャルイメージ範囲も表示されるディスプレイにより制限を受けることにありました。
AR HUDはフロントガラスとVIDという2種類の方法により、影像の重なり合いという問題を解決しています。
フロントガラス:
まず、なぜHUD情報をフロントガラスに投射すると影像が重なり合うかについて説明します。下図左のように、HUDのバーチャルイメージがフロントガラスに投射されると、フロントガラスには一定の厚みとカーブがあるため、光が反射して人の眼に入るときに、2つの影像が重なり合うことで、影像がぼやけるという問題が発生します。
その解決方法は下図右のとおりです。フロントガラス中間のPVBフィルムを変えることで、光の反射を人の眼に効果的に集中させることができ、ドライバーはよりクリアなバーチャルイメージを見ることができるようになります。
HUD特性のフロントガラスは、一般的にウェッジガラスと呼ばれており、影像の重なり合いを効果的に解決できますが、コストも高くなります。
VID:
VIDの距離が十分だと、バーチャルイメージの距離も遠くなるため、人の眼には重なり合いはほとんど感じなくなり、ウェッジガラスを必要とせず、コストを下げることができます。しかしVIDの距離が長くなり、バーチャルイメージが変形し、解像度も低くなるという問題が残り、光路上により多くのアプリケーションを使用することで解決できるものの、技術的しきい値を高めることになりました。
AR HUDの技術的難題-体積の肥大化
AR HUDは遠距離のVIDと広角度のFOVを必要とするため、光路設計において、大幅な調整が必要となりますが、全体的な設計は以下の図のとおりです。まずlight source with displayが影像を生み出し、fold mirrorに最初の反射を、その後rotable mirrorに2回目の反射を行い、続いて光がglare trapを通り抜け、フロントガラス上に3回目の反射を行った上で最終的にドライバーの眼に入ります。
AR HUDは幾層にも重なった光路反射設計が必要で、それにより優れたVID及びFOV特性を得ることができますが、そのためAR HUDの体積はWindshield Reflection Type HUD、Combiner Type HUDよりも遥かに大きいものになってしまいます。
AR HUDデバイスはパネルボード前方に取り付けますが、体積が大きいため、導入できる車種が限られ、中大型車は割と簡単に導入できますが、そうでない場合、デバイス部品を更に小型化し、特別なデザインを施すことで十分なスペースを得ることができますが、デバイスエリアが密集している場合、放熱が一つの問題となってきます。
大部分のAR HUDは光路設計における体積の肥大化という技術的難題に直面します。しかし新世代のAR HUDは光路設計を通じ、体積の軽薄化を実現しました。(UniMaxのFlat type AR HUDはコンパクトで低消費電力、ウェッジガラスを使用する必要もなし。)
Flat type AR HUDは新世代の AR HUDで、これまでのAR HUDの光路を数度に渡り反射設計させるのとは異なり、Flat type AR HUDが先進的なMAVEテクノロジーを導入、外部光路を貫通、反射させ、ブラインド方式により影像生成を行うので、大パネルに幅広い影像を投射する必要がなくなり、体積もAR HUDに比べ少なくとも30%以上減らすことができます。大部分の車両に気軽に導入できますが、新型AR HUDの技術しきい値は高く、当該技術を有している業者は非常に少数です。
AR HUDの分野を超えた結合
これまで述べてきたように、AR HUDはより遠いバーチャルイメージ距離と幅広いバーチャルイメージ範囲を有し、より多くの情報を収納できるので、新たな階層の人と機械の相互作用を提供しています。この特徴を有するAR HUDのインタラクティブな範囲は、小さいものは自身の身の回りの周辺機器から、大きいものは他の提携業者とのネットワークに至るまで、AR HUDは他社のHUDに比べ自身の生態圏の優位性を構築しています。
想像される使用シーン:
AR HUDとBSDが結びつくと、車両が方向転換する際にBSDが近くで車両を検知した場合、AR HUDが車道上にシミュレーション車を表示して警告します。AR HUDが周囲のネットワークに接続され、ドライバーが停車、食事、観光ガイドなどの要求を提出すると、AR HUDがリアルタイムに関連位置を標示し、同時に音声による説明を行います。
AR HUDは更に大きな応用シーンを有しており、人々により豊かな運転体験を提供します。
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